• 2000.07.10 Monday 18:14
  • さようなら、山下憲治さん
  • by 神田敏晶
■デジクリトーク
さようなら、山下憲治さん 神田敏晶

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KNN神田です。

電子メールのサブジェクトに「訃報」の2文字を見た時、また、それがとてもよく知っている人からのメールだとしたら…。これほど、嫌な予感が頭をかけめぐる瞬間ってありません。嫌な予感は適中でした。知人の尊父尊母の場合は最近多いのですが、知人というのも少なくなくなってきました。7月7日(金曜日)、日本のインターネット業界は、山下憲治さん(インプレスダイレクト部長)を亡くしてしまいました。メールで仮葬儀の案内はあるものの、訃報のメールだけでは、状況が掴みきれず、いくつかの故人の関連するMLでは、すでに故人を弔うメールがたくさんあり、山下さんを偲ぶ雰囲気で満ちていました。●山下さんのコラムを読み直す山下憲治さんといえば、「できる」シリーズ編集長、impress Watch」編集長、インターネット書籍編集長ですが、BSのデジタル番組でも、毎週専門の立場でするどいコメントをされていました。やはりなんといっても、日本で初のメールマガジンの有料化にチャレンジされたことと、5行広告をはじめられたことで知られています。カメラのフィルムが35ミリになったのは、トーマス・アルバ・エジソンがイーストマン・コダックに「このくらいの幅にしてくれ」と、エジソンが親指とひとさし指で示し、それをイーストマンが計測した時に決まったサイズなのです。それと同様に、日本のメールマガジンが5行というフォーマットになったのも山下さんが、InternetWatchで実践された時からです。山下さんは、98年10月3日のメールマガジンフォーラム'98にて、「1行目、2行目には、キャッチコピーを、3行目4行目には、タイトルや本文を、そして5行目にはもちろんURLをいれられるスペースにしたかったからです」と語っておられました。メールマガジンフォーラム'98http://www.kip.net/event/weboff/kokuti/981003.htmlまた、「できるシリーズ」は、現在、他社から同様のコンセプトの解説本がたくさんでていますが、このフォーマットでのパイオニアであり、これも山下さんのアイデアから生まれたものでした。当時のコンピュータ解説本としては、異色の本当の意味での「入門書」でした。山下さんは、「『できるシリーズ』は、学校教科書のガイドのコンセプトをそっくりそのままパソコン解説書に適用したらどうか? という視点で作ってみました。フルカラーでたくさんの図解がはいっているのもそのため」とも語られました。「普通の人でいつづける努力」http://home.impress.co.jp/staff/ken/tpath/20000128g.htmあらゆる意味で、日本のインターネット界を牽引してきた方でした。享年なんと34才。あまりにも早い他界に残念な思いでいっぱいです。「トラは死んで皮を残す」といいますが、ネットワーカーは、死んでも「ログ」やら「書き込み」「HTML文書」「メーリングリストの発言」などいろんなものを残せる時代になりました。特に、山下さんのウエブサイトには、キラリと光る珠玉のコラムがたくさん残されています。これも初期のBBSの時代からくらべると比較できないほどの情報量です。ぜひ、故人への畏敬を含めて一度、読まれることをお勧めいたします。山下憲治さんのウエブサイトhttp://home.impress.co.jp/staff/ken/故人のサイトを見れば見る程、忙しさに更新できない自分のサイトを恥じるばかりです…。いつ亡くなっても困らないサイトにしておかないと一生後悔しそうですね。個人のウエブサイトってもしかすると、他界してからの方が、本当の意味があるのかもしれませんね。たとえば、自分の父親のサイトや祖父や祖母のサイトが残され、自分が生まれてくるきっかけが、出会い系のサイトであったりするのが、21世紀には当たり前になってくるのではないでしょうか?自分の御先祖様の残した文書を読めるような事が、今後は誰にも可能になるのでしょう。すると個人のダラダラしたサイトというのも、ひょっとすると22世紀や23世紀の子孫が読むかもしれないと思うと、それなりの品位も必要になってくるかもしれませんね。中世ヨーロッパのメディチ家が巨額の金と著名なアーティストを起用し、ポピュラーな聖書をモチーフにしながらも、わが一族の功績を後世に残そうとしたように、今や誰もが、ウエブサイトひとつで自分の家系の逸話を残せるようになってきているのかもしれません。インプレスさん、いつまでも山下さんのサイトをこのまま残していただけるようにお願いしたいと思います。終身雇用の時代ではないのですが、インプレスという企業が個人のパーソナリティを認め、自由にウエブサイトやインターネットメディアでビジネス上の考えがパブリッシュができる社風は、とてもすばらしい事だと思います。また、このような社員のためにサイトを永遠に残していただける事によって、企業の中の個人という関係性をよくあらわす事例になるかもしれません。ただし一文、亡くなられた事は書き記すことは今後は必要かもしれません。個人のハードディスク、いやバックアップにはもっとたくさんの公開されていないドキュメントもあることでしょう。個人と組織の思いは違っても、動かしている原動力はやはりパーソナリティではないかと思います。組織はそのパーソナリティをどれだけ活かせるシステムに作られているかではないでしょうか?●雪印乳業のウエブサイトを見て雪印乳業のウエブサイトをみなさんご欄になりましたか?http://www.yukijirushi.co.jp/ではなく、(※無意味なドメイン取得はやめましょうね)http://www.snowbrand.co.jp/ です。全ページが、今回の事故に対応するサイトになっており、随時更新情報がおこなわれ、フリーダイヤルでの情報に切り替わっています。当たり前かもしれませんが、このような対応ができていないと、「反省しているとは思えない」とまた、メディアの格好のネタを提供してしまいます。マスメディアからの総攻撃を浴びている中、ウエブでは、自分たちの情報を広く集めようとしているのがよくわかります。広報部隊は連日フリーダイヤルでも深夜の12時まで対応しているそうです。日曜日でも交替で出勤しています。残念なのはそういう姿勢を取り上げてもらえないところでしょう。食品企業にとって、今回のような事故は本当に致命傷です。それを活かせるかどうかは、当然、メディアへの告知もありますが、動きがよくわかるウエブサイトでもっと自社のスタンスを広報する必要がありそうに感じます。もしも社員が自由に発言できる場が雪印のサイトにあったとしたら、雪印の社員たちの苦しみをあえぐ姿が本当は伝える事もできたはずなのに…社長の保身の問答だけが醜くTVから流れています。工場長を今さら怒鳴る姿は、社長の個人的な資質を問いたいところです。死んでからも人の生きざまを伝えるウエブサイト、企業の生死を左右するような広報活動が可能なウエブサイト。この業界で働く人すべてがウエブの意味をもう一度考えるきっかけになればと思いました。個人を偲ぶ原稿を書いていながら、本日、神戸元町で音楽ライブをやります!ビートルズの好きな関西の人には転送してください。

  • 2017.11.13 Monday 18:14
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2006/12/21 12:09 AM, 金森國臣 wrote:
山下憲治さんの思い出
http://www2b.biglobe.ne.jp/~kanemori/zakki-yamashita.htm
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2008/01/27 7:20 AM
このブログ作成の目的の1つに、自己研鑽がある。 自己研鑽の第一としては、ありがちだが文章の修練である。起業を志すものにとって、文字でのコミュニケーションはすごく重要だ。特にメールでいかに説得力がある文章がかけるか、相手に凄いと思って貰えるか、情熱を伝
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